書画(掛装・額装)の買取相場は?査定のコツを押さえて納得の売却へ

掛軸以外の書画作品、たとえば額装された書や絵画、軸装されていない作品などは、飾る楽しみがある一方で、手放す際には取り扱いに困ることもあります。サイズが大きくて持ち運びが難しかったり、専門性の高い分野ゆえに買取を断られることもあります。
とはいえ、すべての買取業者がこうした書画の買取を断るわけではありません。保存状態が良く、評価の高い作家によるものなど、条件によってはしっかりと価値を認めてもらえることもあります。
本記事では、書画(掛装や額装作品)の買取相場や、できるだけ高く売るために押さえておきたいポイントをわかりやすく紹介します。納得のいく取引を目指すために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
書画(掛装・額装作品)の買取相場

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下記は、主に知られている作家や作品における額装・掛装作品の買取価格の目安をまとめたものです。実際の買取額は、保存状態や箱・鑑定書の有無などによって大きく変動しますので、あくまで参考情報としてご覧ください。
作家名・流派 | 作品例 | 買取価格(目安) |
棟方志功 | 額装木版画「釈迦十大弟子」 | 8万円〜 |
平山郁夫 | 額装リトグラフ「シルクロード」 | 10万円〜 |
加山又造 | 掛装彩色画「富士」 | 6万円〜 |
横山大観 | 額装墨彩「山水図」 | 15万円〜 |
東山魁夷 | 額装リトグラフ「道」 | 12万円~ |
池田満寿夫 | 額装版画 | 3万円〜 |
作家の知名度や市場での評価、制作年代などが、査定価格に大きく影響します。人気作家の初期作品や、展覧会出品歴のあるものは、20万円を超えることもあります。お手元にある書画がどの程度の価値を持つかを把握するためにも、専門業者による査定を受けるのが確実です。
書画(額装・掛装作品)を買取に出す方法

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書画作品を手放したいとき、どこに依頼するのが良いか迷う方も多いのではないでしょうか。作品のサイズや取り扱いの難しさ、真贋の見極めが必要なこともあり、適切な買取先の選定が大切です。主な売却手段としては、以下のような方法が挙げられます。
- 美術品を扱う画廊や百貨店
- 一般のリサイクルショップ
- 美術品に特化した専門買取業者
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
画廊・百貨店の美術部門
絵画や書などの伝統芸術を扱う店舗では、作家の評価や市場動向に基づいた査定が行われます。新たに作品を購入する際に、下取りとして額装作品を引き取ってくれることもあり、丁寧な対応が期待できます。
ただし、取り扱い作家やジャンルに制限があるため、事前に対象かどうか確認しておくと安心です。
リサイクルショップ
手軽に持ち込めるリサイクルショップですが、書画のような専門性の高い品は、適正な評価が難しい場合があります。
作品の真贋や保存状態、作家名などに対する知識が乏しいと、十分な価格がつかないことも。店舗によっては取り扱いを断られることもあるため、事前の問い合わせがおすすめです。
美術品専門の買取業者
もっとも安心して依頼できるのが、美術品・骨董品の買取に精通した専門業者です。経験豊富な査定士が在籍しており、作家の評価、市場価値、保存状態などをもとに、的確な査定が行われます。出張買取に対応している業者も多く、額装作品のように持ち運びが難しいものでも自宅での査定が可能です。
また、最近では写真を送るだけで簡易査定してもらえるサービスや、LINE・メールによる問い合わせにも対応している業者が増えており、気軽に相談できる点も魅力です。
フリマアプリ・ネットオークション
自分で価格を設定できる個人間取引は、高値で売れる可能性もありますが、注意が必要です。真贋証明がない場合は信頼性に欠けることもあり、購入者とのやりとりやトラブル対応もすべて自己責任となります。
額装作品はサイズも大きく、破損リスクや梱包作業の手間を考えると、忙しい方や初めての方には不向きといえるでしょう。
書画(掛装・額装作品)を高く売るためのポイント

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一見すると売却が難しそうな額装作品や掛装された書画ですが、美術品を専門とする買取業者に依頼すれば、適正な評価で引き取ってもらえるケースは多くあります。なかでも、以下の5つの工夫を押さえることで、査定額アップにつながる可能性があります。
- 共箱や鑑定書を捨てずに保管する
- 保管状態が良いうちに相談する
- 汚れやホコリを丁寧に取り除いておく
- 喫煙や湿気を避けた保管環境を意識する
- 複数の業者に見積もりを依頼する
それぞれのポイントを詳しくご説明します。
共箱や鑑定書を捨てずに保管する
書画作品を購入した際に付属していた共箱(ともばこ)、作品証明書、ギャラリーでの領収書などは、作品の正当性を裏づける大切な資料です。
特に、著名作家の作品では、これらの有無が査定価格を大きく左右することもあります。付属品はすべて一式まとめて保管し、査定の際に一緒に提出しましょう。
保管状態が良いうちに相談する
不要になった書画を長く自宅に置いておくと、経年によって焼け・シミ・虫食いなどのダメージが進行することがあります。美術市場では、保存状態の良さが価格に直結するため、売却の意思が固まった時点で早めに相談することが得策です。
特に、近年の作品や状態が良好なものは、需要が高まる前に動くことで高評価が得られやすくなります。
汚れやホコリを丁寧に取り除いておく
額装や掛装作品の価値を下げないためには、日頃のメンテナンスが大切です。ガラス面の指紋や木枠のホコリ、絹地や和紙の軽い汚れなどは、軽く拭くだけでも印象が変わります。
作品自体に直接触れず、柔らかい布やハケを使ってやさしく手入れしましょう。見た目が清潔であるほど、査定時の印象がよくなります。
喫煙や湿気を避けた保管環境を意識する
タバコの煙や湿気は、額装・掛装作品にとって大敵です。ヤニによる変色や、布地・紙地の劣化につながるため、日常的にタバコを吸う場所や湿度の高い部屋に飾ることは避けるべきです。
除湿機や空気清浄機を使用して保管環境を整えることで、劣化を防ぎ、より良い状態で査定を受けられます。
複数の業者に見積もりを依頼する
ひとつの業者だけで即決するのではなく、複数の美術品専門買取業者に査定を依頼して比較するのが、高価買取への近道です。同じ作品でも業者によって評価の基準が異なるため、相場感を知るためにも相見積もりを活用しましょう。
LINEやメールなど、簡単な写真査定に対応している業者を選ぶと、スムーズに進められます。
おすすめの書画買取業者5選(額装・掛装作品)

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額装や掛装された書画を売却する際は、信頼できる買取業者の選定が大切です。取り扱いジャンルや査定力、サービス体制には業者ごとに違いがあります。ここでは、書画の買取を依頼する際におすすめの5社をご紹介します。
出張買取の足軽
「出張買取の足軽」は、美術品や骨董を含む多ジャンルに対応している買取サービスです。額装作品など大型で持ち出しにくい書画も、ご自宅まで査定スタッフが訪問して丁寧に対応してくれます。
24時間受付対応に加え、最短即日の出張が可能。書画の価値を熟知したスタッフが、保存状態や作家の評価、市場相場を的確に見極めたうえで査定してくれるため、他社よりも高値がつくケースもあります。Googleレビューでも高い評価を得ており、安心して依頼できる業者のひとつです。
TAKAGAI
「TAKAGAI」は、美術品・骨董・ブランド品など多彩なジャンルを網羅した総合買取業者で、年間50万点を超える買取実績があります。額装された書画や大型作品にも対応しており、専門知識を備えたスタッフが対応します。
電話相談のほか、写真を送るだけのLINE査定や、メールフォームでの依頼も可能。即日で大まかな査定額を把握できるため、スピード感を重視する方にもおすすめです。
高く売れるドットコム
「高く売れるドットコム」は、上場企業マーケットエンタープライズが運営する安心感のある買取サービスです。絵画・リトグラフ・書などの美術品を中心に、額装作品も高額で買取してもらえます。
査定依頼はオンライン・電話・LINEから選べ、作品名や作家名がわかるだけでも対応可能。店頭・宅配・出張と選べる買取方法に加え、送料・査定料・出張費がすべて無料なのも嬉しいポイントです。
アシスト
「アシスト」は、関東圏を中心に対応している出張買取業者で、書画や骨董品にも積極的に対応しています。LINEで画像を送るだけで簡単に査定依頼ができるほか、ウェブ査定にも対応しています。
過去の買取実績も豊富で、掛装や額装された書画の取り扱いにも慣れた査定士が在籍しています。出張時には書画以外の品物もまとめて査定可能なため、引っ越しや整理時の売却にも便利です。
プリフラ
「プリフラ」は、書画に限らず多彩なジャンルの商品を取り扱う買取業者で、エリアによっては即日出張にも対応しています。現地査定後、その場で現金化できる迅速な対応が特徴です。
査定を担当するスタッフは美術品の知識に長けており、他店で値段がつかなかった額装作品でも適正価格で引き取ってもらえることがあります。電話やLINE、メールから予約できるので、気軽に相談してみましょう。
書画(掛装・額装作品)の買取に関するよくある質問

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ここでは、掛軸以外の掛装・額装作品の買取について、よくあるご質問にお答えしていきます。
書画作品は買い取ってもらえないのですか?
書や絵画などの額装・掛装作品は、専門性が高いため、すべてのリサイクルショップで対応しているとは限りません。ただし、美術品の取扱いに慣れた業者であれば、査定・買取が可能です。
特に知名度のある作家の作品や、保存状態が良いものは価値が付きやすく、積極的に取り扱っている業者も多く存在します。まずは専門業者に問い合わせてみるのがおすすめです。
シミやヤケがあっても売れますか?
紙焼けやシミが見られる作品でも、作家や作品の評価によっては買取対象となる場合があります。もちろん、状態が良好な作品に比べて査定額が下がる可能性はありますが、市場での需要がある場合は価格がつくことも十分に考えられます。
一部の業者では、修復前提で仕入れを行っているケースもあります。見た目に劣化があっても、処分せずに一度相談してみるとよいでしょう。
自分では運べないのですがどうすればいいですか?
額装された作品は大きさや重量があるため、運搬に不安を感じる方も多いかもしれません。そのような場合は、出張買取に対応している専門業者の利用が便利です。
たとえば「出張買取の足軽」などは、24時間受付で即日対応も可能。お住まいまで訪問してその場で査定・現金化まで対応してくれるため、手間なくスムーズな売却が実現できます。
まとめ
書画作品をより良い条件で売却するには、日常の取り扱いや保管状態が大切です。湿気や直射日光を避け、きれいな状態を保つことで査定時の印象が良くなります。また、共箱や鑑定書などの付属品があれば、査定額にプラスの影響を与えることもあります。
仮に状態が万全でなくとも、美術品に強い業者であれば、独自の販売網を活かして価値を見出してくれることがあります。他店で断られた場合でも、諦めずに複数の業者へ相談するのが得策です。
「出張買取の足軽」では、額装・掛装作品のような繊細な美術品にも対応し、経験豊富な査定スタッフが丁寧に対応いたします。24時間体制でご相談を受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。